行って戻らぬ汽車はない。それなら、いっそ、出発しなくても。
旅するバイカーからお墓まいりで帰郷した方まで、様々な方々に人気の車両型宿泊施設、その名も『ブルートレインたらぎ』(通称ブルトレ)
案内いただくのは、町役場の上原麻妃さんと魚住係長。
多良木愛に溢れる上原さん、本日はブルトレのご案内よろしくおねがいします!
「上原さんは、ずっと多良木で育たれたんですか?」
「あ、私、沖縄出身です」
…それではご案内よろしくおねがいします!
まずは、外観から。
「昭和の子供達、ヤッターマンのヤッターワンの乗り方知ってるかい?ここでは、そのポーズの写真が撮れますyo!」( by魚住係長)
”ヤッターマン”を知らない若者たちは、昭和生まれのお父さんかお母さんに聞いてみよう。
高圧洗浄と苔とが奇跡のコラボレーションを果たした、共生型看板。
こりゃ、斬新。
フロントは、B寝台。
こちらからチェック&イン &ゴー!
この「スハネフ」がまぎれもない寝台車の証!
入り口から直ぐ右に行くと「フロントロビー兼食堂」。
フロント受付は売店も兼ねています。
売店では、こんな素敵なオリジナルタオルも買えました。300円なり(2017年現在)
受付に立つ上原さん。
振り向けば、食堂車のようなフロントロビー。
こちらには、隠しスポットがあり、何と車掌マイクが使いたい放題。
「ピンポンパンポーン!!ええ〜〜〜次はあ〜〜〜フルーマンの家前、フルーマンの家前です〜」忘れられつつある日本独自の鉄道発音でつぶやきたいという夢がある方は、こちらで言いたい放題実現可能です。
本日、宿泊予定のフルーマン。
早速、ご挨拶を放送いたします。
「本日は一泊、一っ泊いたしまぁーす、フルーマンでございまぁ〜す」
のってきました。
長引きそうです。
自己紹介からやっと中学校を卒業した話のあたりから、恋愛観の話に差し掛かろうあたりから放置しまして、寝台のチェックに移らせていただきます。
押忍!!お邪魔します。
まずは寝台。快適さの確認です。小柄な上原さんは、らくらく収まる快適な様子。寝心地も良さそうです。しかし、男性で180cm以上の方はどうなのか?
185cmのアオイ氏でも足を曲げることなく寝られるようです。
窓側中央の柱は、ハシゴ。この柱からハシゴへの華麗な変身を知らない方は、ぜひ、予約後に現場でお楽しみください。
フットレストもあるんだよ(魚住係長)
・・・・・嘘でした。
ガシャン!と持ち上げ、転落防止のガードです。
どうしてもフットレストとして使って見せたい魚住係長プロデュース、寝台スペースでの遊び方。
向かい合わせで楽しく球磨拳ができるよ!(勧めておいて球磨拳にすこぶる弱い魚住係長)
みんなで泊まると楽しいカモね。
球磨拳の盛り上がりからしっぽり一人になりたい時は、この通路側の折りたたみ椅子を下げよう。ひとり傷心旅行の設定で黄昏れてみるのも通な泊まりかたです。
さらに奥へ進むと行き止まり。
湯前線、多良木駅のホームが見えています。
すぐ横には球磨線の線路。上り下りとしっかり目的地までを走ります。
そうなんです。ここのもうひとつの楽しみ方は、実際にはしるクマ鉄とのランデブー!こんな感じですれ違うのです。
賑やかな4人部屋を後に、次は、個室車両へ。
四人車両と個室車両は、フロント兼食堂車を挟んだ両側に分かれています。
移動中、魚住係長による個室へ向かう我々へのエールが響き渡ります。
張り切って期待を胸に個室へ行ってまいります。
懐かしの洗面台を超えるとそこは、、、、
*洗面台は、使えません。昔を懐かしむことができる観賞用です。
一部屋ごとに番号が。個室です。
上段、下段といった形で個性の違う部屋が続いておりました。
なかなか居心地の良い空間で落ち着きます。食事やお風呂に慣れてしまえば、この無駄のないコンパクトさはクセになるかもしれません。
フロントを出ると、道を挟んで向かい側の楽しげな公園にスペースシャトル。
走らない電車と飛ばないシャトルの間でふと目を細める。この町は、すこぶる安全だ。
多良木の次は、一駅の寄り道もせず、東京に行ってしまうらしい。
動かなければ事故もない。
安心感溢れる光景が広がっておりました。
ちなみにエントランスから首を少し右を向けるだけで温泉「えびすの湯」が見えます。ブルートレインから徒歩1分。こちらの入浴代は、宿泊費に含まれます。
夜は、途中下車して時間を気にぜず温泉で疲れを癒した後に、車両でゆっくり夢の国へどうぞ。