多良木町は、なぜこんなにもおもしろいのか。
たべもの、自然、文化遺産、、、理由を上げれば枚挙にいとまがないのだが、
もしかしたら一番のおもしろい理由は「住民」なのかもしれない。
なぜか出会う人、出会う人、みんな「おもしろい」のだ。
いや、それは私の出会った人たちがたまたまノリがよかっただけかもしれない。
果たしてそうなのだろうか、、、それならば検証してみるしかない!
ということで、おそらくもっとも住民の中でもお堅いであろうと思われる
多良木町役場の職員さんにお話しを聞いて、確認をしてみることにした。
今回の検証方法は、多良木町役場企画観光課 定住支援係の魚住(うおずみ)さん、企画改革係の才津(さいつ)さんに「町の見所を取材」するという名目でご同行をいただきながら確認してみるというものです。
果たして、どのくらいのノリの良さで案内してくれるものなのか!?
検証その1:「魚住さん」のたらぎ名所観光案内の場合
魚住さんは、町の定住を支援する職員さん。笑顔がさわやかな印象の方です。
お願いをしてみたところ、さっそく町の観光名所をいくつかご案内してもらえるということ。なんという軽快さでしょう!ということで、レッツゴー!
しかし、国指定重要文化財青蓮寺阿弥陀堂(しょうれんじあみだどう)を紹介していただいたときに、はやくもそれは起きました。。。
「ここは、僕が小さいときからの遊び場でした」
と言うやいなや、子供の頃の感じを再現しつつお堂を紹介しはじめたのです。再度書き添えておきますが「国指定重要文化財」を紹介しています。
※青蓮寺阿弥陀堂のくわしいご紹介は「県内最大の茅葺屋根。 ひともタヌキもぽんぽこりん。」をご参照ください。
こ、これは?、、、なにゆえに1発目からこのハイテンションなノリで紹介できるのだろうか。。。町役場のお堅いイメージを一瞬で払拭する軽快さにおののきました。
そして、次の事件は相良三十三観音めぐりの23番礼所「栖山観音(すやまかんのん)」をご案内いただいているときにおこりました。
「僕は町一番のグルメなんです」というやいなや栖山観音の参道に落ちている”ツブラジイの実”(アクが少なく古代から重要な食料、縄文時代の遺跡から出土することもあるらしい)を指差し、その場で「おいしいんです」と満面の笑みで食べ始めたのです。
ワ・イ・ル・ドすぎる。
「持って帰ってフライパンで炒るとまた美味しいんですよ」とあんまりにも勧めるので、私ふくめ取材同行班、大人5−6名全員がハトのように無音で足元をついばむ異様な景色が10分以上仕上がるのである。
そしてその直後野いちごを道ばたにみつけた魚住さん「これはデザートですね。」といって食べ始めたのです。さすがワイルド食通。
そしてさらに、葉っぱをみつけた魚住さん!
何!この葉っぱもたべられるの?野生児か?
と思いきや、、、
食べられませーん。
くそー、お茶目少年!
いや、いや、それよりも観音様のご案内は?、、、、
魚住さんは、町の遊び場や、どこで何の食べ物が見つかるかを知っているおもしろ&ワイルドな野生児少年ということがわかりました。そしてさらに心温かい方でもありました。
町役場でも、「町のことを一番知っているのではないか」と言われているそうです。たとえば、取材の移動中に道端で並んでマラソンをする小学生を見て取材班一同「可愛いー」の一言に「あれは●●さんちの●●くんです」となんとフルネームで名前を即答するほど全てを知っているのだ。「だいたい多良木小学校の生徒さんはフルネームでいえますよ」と歩く住民台帳ぶりを平然と披露してくれるのです。
検証その2:「才津さん」の名所観光案内の場合
お次は企画改革係の才津さん。
こちらはお上品で優しい好青年である。家系が代々武芸をたしなみ、故に多才。日舞も嗜むが、現代的なダンスも好きだという。
魚住さんのワイルドなもてなしとは変わりクールな印象。これは、町役場職員ぽく堅めに案内してくれてそうです。
しばらくは、そつなくご案内いただいておりました。しかし、変調は多良木町指定文化財中山観音のご案内の時にあらわれました。。。
才津さんの観光案内スタイルは実に上品かつスタイリッシュな貴公子タイプ。
多良木町指定文化財中山観音の中山観音お堂の中に進むと、、、、
必要以上のエンターテインメント性で説明をしてくれました。やはり芸達者なお家柄に産まれた性なのか。。。
才津スタイルでの中山観音紹介はこうです!まじめ貴公子!
そして、、、こうです!あれ?ちょっとスイッチが入ってきた?
さらに、、、こうです!
なんというエンターテインメント性の高さでしょう。そして、上品な才津さんなので、もちろん靴はそろえてあります。
芸達者な才津さんは、人吉球磨地方が誇る「球磨拳」の使い手でもあります。
そして、日舞を踊ります。
さらに、調査を進めるわれわれの眼前に現れたナゾのアイテム。いったい企画改革係とはどのようなことを改革している部署なのか?
もう理解が不可能に、、、。お、奥が深すぎる。多良木役場職員さん。。。
検証その3:とにかく夜一緒に飲んでみることにした
本当に愉快すぎて、なにかがおかしい。。。これは行政のサービス精神(をすこし拡大解釈して)無理をしてハイテンションなのか?はたまた素の姿なのか?日中の同行では判明しなかったため、夜待ち合わせて一緒に呑んでみることにしました。お酒を飲めば素の姿が見えるのではないか?
待ち合わせ場所は街一番の繁華街である八栄街です。
乾杯して宴会スタートとなりました。お、やはりプライベートは結構おとなしく呑むのだろうか、、、
と思ったのもつかの間、、、しばらく和やかに飲んでいましたが、はじまってきました。ワイルド 魚住さん & 貴公子 才津さんの仁義なき応酬が。
まずは、ワイルド魚住さんの先制攻撃です。豚足の唐揚げが登場。私たちが、「あち、あちち」と手で取り分けていると「こうやって食べるんじゃ!」と見本を見せる魚住係長。
こうやってたべるんじゃー!
一方、才津さんは、お上品に食し、対抗します。
すると再度魚住さん、「豚足は、、、、」
「こうやって、たべるんじゃー!!!」
がぶー!
おほほほー!
この攻撃には、貴公子才津さんもダメージを受けたかに見えましたが、、、、
無傷の貴公子スマイル!
「ですね。なるほどっ」どう転んでも、才津さんは、お上品。
同じ食材を食べているようには見えません。
日舞の訓練の賜物か、小指が立ちそうなお上品ぶり。そして2017年1月現在彼女募集中です。
「まけてられるか!」
この状況に我慢できなくなった猫舌のフルーマンも参戦。
「がぶー!あちち!」豚足のあまりの熱さにあえなく惨敗です。
検証結果:素もおもしろい、ワイルド魚住さん&貴公子才津さんでした。
魚住さん、才津さん、二人ともお酒が入っても、楽しく愉快な人たちでした。苦労や悪口、大変、といったことを言わない姿には大いに関心させられました。そして町への責任や愛情が言葉の端々から伝わってくるあたたかい席でありました。あわよくば「裏の多良木情報」を聞き出そうとも企んだ我々ですが、愚痴も悪口も不満もなし。
そもそも役場の二人は全く酔いませんし、東京勢が船をこぎ初めても、水のように焼酎を流し込み続け、毎度爽やかに手を振って徒歩で帰って行くのです。九州男児恐るべし。
そして、たらぎの人たちはやはりノリが良すぎるおもしろ人間ばかりということが照明されました。みなさんもたらぎに来たら是非お会いしてみて下さい。きっと楽しいですよ。
八栄街 居酒屋 アットホームたか
- 住所
- 〒868-0502 熊本県球磨郡多良木八栄街
- 電話番号
- 0966-42-6520