案内してくれたのは、こちらを米蔵からの改装を手がけた永井さん。
この球磨地方では、柔らかく加工しやすい溶結凝灰岩に恵まれ、明治時代末期より農産物を大量に貯蔵できるこの凝灰岩による石倉が盛んに建てられ、米を安定して備蓄できたことから、相場を見ながら出荷することができたのだそう。
そうでなければ、冷蔵技術などのないこの時代に温度管理や鼠などの害獣から守ることなど、意外に難しかったと思われます。
おお〜〜〜、、割れてる割れてる。
ムム。中国から伝わったとされているような柄や紋が縄文時代からあるのは、興味深い。
古代の風 黒の蔵は、昭和17年に建てられた石倉を埋蔵文化財等センターに改修。町内で発掘された埋蔵品や文化遺産が展示されているほか、焼き物や絵などの現代作家の個展ができるようなスペースも確保されている。
見所は、黒肥地大久保台地から出土した縄文時代最古の岩偶や、旧石器時代から江戸時代までの発掘品の展示で、中でも興味深いのは、縄文時代最古のお人形。
「こちらが縄文時代のものとされる世界最古のお人形です」
て・・・どれ?どこ?、、お人形❤️
えっ?これ?・・・
ちっ・・・
・・・ちゃ!❤️
最初は、お人形という言葉と存在が結びつかず戸惑うが、よおおお〜〜く見ていると可愛く見えてくる。
この微妙にボン・キュッ・ボンの腰のくびれにワナワナし始めるのである。昔だからとなめちゃいけません。固定電話が携帯電話となりどんどん小さくなったように、この時期だって娯楽が人間サイズからコンパクトになっていった。これだってミニマリズム極めた当時の最先端仕様に違いありませんよ。
当時の身軽で素敵な生活が想像できます。さあ、次!
「・・・・・・」
デジャブ。
この茶碗の存在に引き込まれながら、私の記憶が、牛の群れが走り抜けて埃が舞うインドの片隅へ飛んでゆく。しかも、気づけばわりと最近の記憶であるではないか。
そう、この欠片。インド行けば都市のデリーでもこういうものを、、、しかも割れた状態で見かけるような気がしますう〜( 2017年現在)、、がっ!、それは、イ・ン・ド!!の話。
日本へ戻ります。
これは、大昔の人々が生活必要品として生み出し、使用し、私が鼠から人間への進化と輪廻を繰り返している間にも、じーーーーっと土の中での時間を積み重ね続け、時には、地殻変動で割れたりもしながら、平成のこの世に再度太陽を浴びて出土した大変貴重なものです。
現地へ行けばすぐに気づくのだが、多良木では道路脇に今でも横穴や古墳などが多数点在していることから、縄文時代から豊かな文化がこの地方にあったことはうかがえる。
使えない土器なんて興味ないわ、という女子の皆さまでも、水晶が出るといえば少しきらめくだろうか?そうです、場所によっては、水晶も出土する場所が多良木にはあります。しかし、めったやたらに堀り散らかすのはいけません。これは、住人のみが知る子供達の楽しみ。いくら、可愛いトイプーが、ここ掘れわんわんゆうても役所に届けず掘ってはなりません。
こちらには、古墳から出土した刀剣、馬具、轡(クツワ)の4セットなど、当時を知るために貴重な出土品が多数展示されており、案内くださった永井さんは、矢じりも作れる技術の持ち主。
まだ、、戻れる。
戻れるかもしれない。この頃に。。。
当時の生活体験をご希望であれば、実現できるかもしれないのがこれまた多良木の奥深さであり、大きな魅力でもあります。
さあ、妙にワクワクしてしまったあなた。レッツ、ギャートルズ。
古代の風黒の蔵(多良木町埋蔵文化財センター)
- 住所
- 868-0502 球磨郡多良木町黒肥地蓑田4282
- 定休日
- 月曜日(祝日・振替休日の場合は、翌火曜日、年末年始12月28日〜1月4日)
- 電話番号
- 0966-42-7520
- 入場料/開館時間
- 無料/9:00~17:00 (入館は16:30まで)