四方を深い山々に囲まれ、盆地全体が朝霧に覆われる人吉球磨地方。日本三大急流の一つ球磨川の水と寒暖の差が大きく自然環境は、球磨焼酎の原料となる良質な米を育て上げる。人吉球磨地方の米のみを原料とし、人吉球磨地方の地下水で仕込んだもろみを蒸溜し瓶詰めしたものだけを「球磨焼酎」と呼ぶ。
「店と蔵との間に、実は、古い街道が走っているのだよ。古くから栄えていたんです。」抜群酒造(ばつぐんしゅぞう)代表の西さんは、この地方の歴史にすこぶる詳しい。
西さんに伺うところによると、一番古く遡れる縄文時代から現在まで、この地域で人が飢えて死んだという形跡は確認されていないという。
年貢に苦しむ時代においても、この地域は取り立てを免れ(取り立ての役人が、この奥に人が住んでいるわけがないと思うほど秘境だったために来なかったらしい)、米焼酎の産地に成る程、米が豊富にあったのだ。
抜群酒造は大正12年初代・西常市氏が「ずば抜けて品質の良い焼酎造り」を目指して始まりました。以来代々この地で酒造りを続けてきた抜群酒造は「夕食に飲む、この一杯。」をモットーにしているそうです。
古い文献や歴史などにお詳しい西さん。おじいさまの代からの歴史好きを受け継ぎ、現在は子供達への球磨焼酎の歴史先生役も務めるまでになっています。
さらに事務所でHPやブログがあるという情報を教えていただくためにPCを覗くと、待ち受け画面にかなりなスペーシーなスターウォーズ並みの宇宙の景色が広がっている。
「好きなんですか?宇宙」
「好きですよ。これはボクが撮った写真なんですよ。」
「すごい。どれくらい好きなんですか!?・・・・」
「どれくらい?うーんちょっと待っててね」
スタスタスタ・・・・
「これが、、レンズ。。。」そして、
ドーーーーン!
”ばつぐん”とは、多くのものの中から抜きん出ていることの意味である。
いかに抜群であるか?を取材に行くと、ずば抜けて面白く宇宙レベルの抜きん出た”人”に出会ってしまった。
抜群酒造の隠し玉は、歴史の語り部としての役割、そして宇宙を見つめる”人”でありました。
ちなみに、趣味はトライアスロンや自転車ロードレースとのことで、昼は自然の中を走り抜け、夜は星の美しいこの場ならではの生活を満喫しつつ、酒造りを受け継ぐという脱帽の充実ライフスタイル。
どうりで、なんだかとてもスタイリッシュ!
抜群のおいしい酒造りと、たのしいお話しのつきない西さんでした。
抜群酒造
- 住所
- 〒868-0502 熊本県球磨郡多良木町黒肥地1662
- 電話番号
- 0966-42-2172