迎えてくれるのは、県内最古の楼門
相良頼久が応永23年(1416)に楼門を建立。
明治末期の修理時に上層の斗栱(ときょう)が取りのぞかれたが、県内最古の唐様(からよう)の門として貴重なもの。
禅宗様を基本にした室町時代の貴重な建築。楼門の形式は、正面が5.9メートル、側面が3メートルの三間一戸の楼門で、屋根は寄棟茅葺。柱はすべて円柱、斗栱(柱上のますぐみ)は禅宗様二手先になっており、中備えの詰組や木鼻も禅宗様式となっている。
そして、門の両方に2メートルほどの木造仁王像。しっかし、ちょうどいいところに柱があり、どんなプロでも全身撮れまい。肉眼でも肝心の魔除けとしての険しい表情は透視で感じるのである。
試しに振り向いてみると、やはりこちらも透視で感じるおなじパターン。
門をくぐって本殿へ向かう。
わたちたちへのもてなしは、変化球でやってきました。
私は、普段から神社などではとてもお行儀よくするものです。
ここは歴史ある、子供相撲や臼太鼓踊りなどを舞う町の方々にも大切な場。とびきりかしこまって頭を深々と下げて入りました。
「お邪魔いたします」という気持ちで本堂に向かおうとしたその時。左の狛犬がとびきりの仕込みをしていることに気づき、崩れ落ちる。
この方です。シャキぴーン!
お分かりだろうか。。。。こちらがボケを興じる狛犬君。
私は、このくらいの距離で腰抜かすほど笑っておりました。
わからない、、、では、
これくらいでどうでしょう。
鼻血? えっ?鼻血??と思われますか?血の涙を流すマリアのような、鼻血の狛犬??
多良木は、そんなことはしません。鼻の穴の真ん中に真っ赤なてんとう虫を仕込み、笑かす準備をしているのです。
それだけでもおかしいのですが、写真を撮りながら「下の歯どした?」という笑いも追加されて行きます。「下唇・・随分深めに噛んでるね」
しかし、私が泣くほど笑ったのは、それだけではありません。
「ここに、1円仕込んだのは、誰ですかあ〜〜〜〜?」というものです。
三歩あるけば、賽銭箱があります。
「わざわざこの鼻の穴に1円仕込んだのは誰ですかあ〜〜〜!!」と。この苔むしている状態からすると、最近ではない。
「1円かい!」対の狛犬が、コロコロの飴玉をくわえてツッコミ顔。
いたずら好きの子供のような狛犬さんたちでありました。
この土地は、夏目友人帳のアニメシーンなどにも登場する場所があり、多分、彼らも日が暮れたら動いているし、喋り出すはず。
そんな笑い声が大好きな神様の横に、さざれ石。
古来よりここは、王宮と称し、明治元年(1868)に黒肥地神宮(くろひじじんぐう)と改称された。
創建は大同2年(807) 日向国(宮崎県)の住人・土持太郎、田部忠網が久米蓑毛(現・多良木町久米)に住み、多良木源島に帝廟(天子のみたまや)を勧請した。その後現在地に遷座したもので、祭神は神武天皇という由緒ある神社であり、町の大切な祭りや行事は、多くここで行われる。
「千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」
これからの21世紀も。これまでの飢えゼロ多良木のように、豊かで安心して暮らせる美しい土地でありますように。
王宮神社(おうぐうじんじゃ、黒肥地神宮)
- 住所
- 〒868-0502 熊本県球磨郡多良木町黒肥地1278
- 電話番号
- 0966-42-2529