酒造りもできてしまう一軒家のススメ。

多良木にはさまざまな史跡や文化財が残っていますが、江戸時代の暮らしを体感するなら、国指定重要文化財太田家住宅(…

太田家住宅(おおたけじゅうたく)

多良木にはさまざまな史跡や文化財が残っていますが、江戸時代の暮らしを体感するなら、国指定重要文化財太田家住宅(おおたけじゅうたく)に行ってみましょう。建物は寄棟造りの茅葺きの屋根で、2ヶ所折り曲げ、前後に突出部のある曲屋風の外観が特徴的です。

座敷の床の間

座敷の床の間の壁紙も改装時に下から出てきたものを復刻したのだそうです。
19世紀中頃(江戸時代末期)と考えらる人吉球磨地方の鈎屋の民家を代表するものとして国指定重要文化財に指定されました。

庭

太田家の先祖は、鎌倉時代に相良氏の球磨郡下向に同行してきた武士とされ、中原に屋敷をかまえ郷士となり、農業のかたわらで焼酎製造をおこなうようになったと米櫃の墨書によって判明したとのこと。

入り口と畳

梁行き寸法が三間(約6メートル)よりわずかに短く、最大限の広さを確保する工夫をしています。

畳と囲炉裏

建物は壁は土壁が少なく、板壁が多い。
寄棟造で『ざしき』『あらけ(次の間)』といった客間部分と、『だいどころ』『どうじ(土間)』といった生活・生業部分の棟を平行に置き、前後をずらして『なんど(寝所)』部分で両棟をつないだ形。こうした構造が採用されたのは、『どうじ』と呼ばれる焼酎製造の作業場を広く確保するための工夫なのだそうです。

カマドの展示品

土間中央の焼酎製造に使用されたカマドの復元がされています。

茅葺屋根の外観

茅葺屋根の解体中、球磨地方独特の屋根下地である『茅簀(かやす)』が使用されていることがわかりました。茅は、九重高原から3,000束を取り寄せて新たに葺きなおしたそう。

収納スペース

そして、驚いたのは、この時代にビルドイン。各所に綺麗の収まる多くの収納に驚き。地震時などに心配される家具が倒れる事故や保護の心配も無し、これぞ、日本の形なのか。

下駄箱

下駄箱もしっかり床下にビルドイン。
日本の元祖グッドデザイン、ここにあり。

太田家住宅(おおたけじゅうたく)

住所
熊本県球磨郡多良木町多良木字中原447-1
電話番号
0966-42-1266 (多良木町役場 教育振興課 )
ウェブサイト
http://www.town.taragi.lg.jp/q/aview/28/1804.html
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